薬学の論文の要点

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漢方論文~古閑健二郎(北陸大学)、大島耐之、河島進

「総合病院における医療用漢方エキス製剤の併用に関する調査」

・著者:古閑健二郎(北陸大学)、大島耐之、河島進

・発表時期:1995年4月

・発表媒体:病院薬学

漢方エキス製剤の適正使用と問題点を把握するために、処方せん内容の調査を行った。

石川県内の一総合病院で1993年8月1日から9月30日までの漢方エキス製剤が処方された3099枚を調査対象とした。

2製剤併用による処方は全体の約10%、3製剤では0.8%で、組み合わせの種類は各々98、14種類であった。

2製剤併用で処方頻度の高かったのは、大黄甘草-八味地黄丸、加味逍遥散-五苓散などであった。

2製剤併用の314処方の中で、2製剤とも通常量の処方は2割を占め、1もしくは2製剤とも用量が減量されたのは全体の約8割であった。

総含量15gを超えた7処方は、すべて3製剤の併用であった。7.5g超-12.5g以下の範囲が全体の6割を占めた。

2製剤併用の多くは用量の調整がなされ、適切な処置がとられていたと考えられるが、2製剤とも通常量であった60処方ならびに15g超の3製剤併用の7処方は、患者の症状と対比させることで処方量の調整を行う必要があると考えられた。

2製剤併用の314処方の組み合わせにおいて、重複生薬が1-3種類の割合は全体の約7割を占めた。

最も重複数の多かったのは、葛根湯-桂枝加葛根湯、葛根湯-五積散、補中益気湯-六君子湯の3処方であった。2製剤併用処方の重複生薬では、甘草の重複が最も多く25.6%を占めていた。

今後患者にとって限られた保険収載の漢方エキス製剤が適正に使用されることが妨げられないよう、漢方に関する情報の整理と迅速な伝達が適宜に実施できるよう心掛ける必要があると考えられた。


医薬品記載名: chinese-medicines

薬効分類  : (52-)

医薬品記載名: Kakkonto

薬効分類  : (52-)

医薬品記載名: Keishikakakkonto

薬効分類  : (52-)

医薬品記載名: Goshakusan

薬効分類  : (52-)

医薬品記載名: Hochuekkito

薬効分類  : (52-)

医薬品記載名: Rikkunshito

薬効分類  : (52-)

医薬品記載名: kanzo

薬効分類  : (51-)

医薬品記載名: shokyo

薬効分類  : (51-)

医薬品記載名: taiso

薬効分類  : (51-)

対象    : 臨床